英語の発音が悪いほうが有利な場合もある理由

以前に、発音厨を気にするのが無意味な理由について書きました。今回は更に踏み込んで、英語の発音が悪い事の利点についてです。

発音が悪い方がいい理由、実は英語でもどの外国語でも同じです。

それは「ペラペラになって、ネイティブと同じ土俵に立つ」という状態を避けられるから。

英語の発音が悪いメリット

頑張ってるように見える

流暢になるまで、初歩から中級までは、「何も知らない外国人」が一生懸命に自分の知らない言語で話している状態です。発音が悪いと、不自由なのに健気に頑張ってる姿になって、好感度高いです。

一方、英語も、その他の外国語も、一旦きれいな発音で流暢に話せるレベルまで達してしまったら、比較対象はネイティブになります。

なぜ比較対象がネイティブになると不利なのか?

発音も正しい、文法も正しい、ペラペラ話せる状態。次に目(耳)が行くのはどこでしょう?

話している内容。そして、さらに表現。そういったところに、聞いている人の集中力が行くのです。

流暢になってしまったら困る事①:話の質がバレる

日本人が日本語で話している場合でも、「こいつの話は長い割に内容がないな」「脈絡がないな」「支離滅裂だな」「何が言いたいんだよ、話がわかりにくいな」と感じること、ありますよね?

つまり、言ってる内容がカスやったら、そこが目立つ。本質的な「話のクオリティ」がクッキリ浮かび上がるのです。

流暢になってしまったら困る事②:表現力の無さがバレる

日本人が日本語で話す場合も、聞いていて「あ、この人頭いいな」「流石だな」って思う人いますよね。言い回し、表現方法、話の流れ、言葉のチョイス。必ずしも難解な言葉を使うという事ではなくて、豊富な語彙を持った上で使い分けられる人

幼稚園、小学生、学生に、そういった文化レベルの比較を持ってくることはあまりないかと思いますが、大人、社会人だと自然と気になる部分。

例 Likeの多用

例1:たとえば、英語で you know….like…like…を多用する人。like likeは適切な言葉が見つけられていないから、つまり表現する力が不足してると思われがちです。

例 ボキャ貧

例2:ネイティブの幼稚園、小学校低学年でも流暢に話しますが、必然的に知っている言葉は少ない。ネイティブ以外の人が流暢に話している場合でも、使える言葉はとても少ないかも知れない。なので表現の幅がとても狭い可能性があります。

適度に悪い発音で英語の勉強を止めるビジネス成功者

ペラペラに話せたとしてたら、それはそれで、次にネイティブの人達や難なく話せる人たちが気になりだすのは、内容自体や語彙や表現であり・・・

発音悪い、流暢じゃない状態ならば、周りはそんなところまで気にしないでしょう。

それこそ、発音良くて流暢に話してると、本質に注目されるので、中身たいしたことないなという評価になる可能性もあるわけです。

空っぽ感が出ていても直接に批判はされないと思いますが、流暢に話していると内容に自然と耳が行きます。そして無意識にも、中身をネイティブと並べて比較される傾向は強くなります。

ビジネスにおいては特に、話そのものの質、そして表現や言葉のチョイスに現れる文化レベルなどが評価されるので、「英語の発音も綺麗なひと」は逆に難しい立場になってしまうことがあるのです。そういう理由で、あんまり英語うまく話せない程度で止める人もいるくらいなので・・・

補足:発音厨が発音厨に特化する理由

「でも、流暢に話せないと、発音を周りから笑われるじゃないか!」って思う人が居るかもしれません。以前にも発音厨は聞く価値がない理由を書きました。

前回の内容に追加になりますが、もし発音厨の人たちが非常に英語が出来る人たちだとしたら、発音以外において、上記のような表現力、話の質といった部分を指摘することができます。そのレベルに達していない、唯一あーだこーだ言えるのが、発音という漠然としたイメージで判断できる部分だから、発音厨にならざるを得ないのです。

何も知らないんだから、表現が素晴らしいのか幼稚なのか、話の中身があるのかないのか、聴いてるだけでわからないですからね。

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この記事を書いた人

Macaron

海外進出における営業や展示会出展サポート、英語の通訳・翻訳、イタリア語の通訳、ビジネス英会話講師。分からないことを丸投げしたい個人や小規模事業者におススメ。神奈川と石垣島の2拠点で活動。