7月10日 円錐切除 当日。
午後2:30頃、看護師さんに呼ばれた。手術着に着替えて、点滴を押しながら手術室へ向かう。
手術室の前につくと、目のパッチリした可愛くて若い方がお出迎え。本人確認のため生年月日を言う。学生の実習とか研修とか多いのだろうか。総合病院のスタッフ平均年齢がこんな感じなのだろうか。円錐切除 という簡単な手術だからだろうか。
手術室に入っても、やっぱりかなりスタッフは学生チック若い印象だ。マスクでハッキリはわからないけど。主治医が一番上なのかな。なんだか・・・・ちょっと・・・不安だな~。(今さら)
円錐切除 の現場から目覚め
手術台に仰向けになって寝る。
こうしてみると手術台って短い。自分で手術台に乗ったのは初めてだ。14年前にイタリアで盲腸・腹膜炎の手術をした時は、もう手術室移動する前に眠っていたと思う。夜中だったし。緊急だったし――。
主治医が左横からポンポンって腕を軽く叩く。よろしく的な感じで。
全身麻酔にして良かった。手術中に耳が聞こえると、何を話してるか気になるから嫌だ。聞こえなければ、まな板の鯉。諦めがつく―――。
マスクを装着。左手首の点滴からは麻酔投入される。そして、はやいこと意識がなくなった。
起きたら、ベッドが動いていたような・・・自分の病室に戻って来ているところだったような・・・。人の顔が見える。ベッドの上で寝ている私は、持ってきた前開きパジャマに着替え終わっていた。
「病変ハッキリしてましたよ。」切り取った部位を見せながら、主治医。嬉しそうに言ったように見える聞こえる。
病変ハッキリしてるって良くないんじゃないの?良いの?困惑・・・。
未だマスクはついたまま、腰痛と下腹部の鈍痛が結構ひびく。そして熱っぽい。怠い。看護師が熱を測りに来た時に見ると、37.8℃。簡単な手術でも、体内を切るとやっぱり熱は出るんだな。
寝返りを打つのが動きづらいし、痛いのでつらい。しかし腰痛を感じるので、寝返りうちたい。全然楽な体勢に自分でできない。痛みで眠ることもできない。イライラを紛らわすために、スマホを弄っていた。
30分の簡単な手術でも、受けた後はやっぱり簡単じゃない。痛みは30分で消えないもの・・・。
主治医が告げにきた事・・・ 疑念は確信へ
何時ごろだっただろうか、おそらく今日の手術が終わった時間帯。再びスクラブ姿の主治医が現れた。
「鈴木先生、病変がハッキリしてたっていうのは?」
「思ってたよりも悪くて・・・病変がハッキリと大きく広がってた。切った上の方にもまだ、少なくとも上皮内腺がんはあったからね。」
!?・・・上皮内の腺癌なのに切ったその場の目視でわかるの?
それって進行してるってことじゃないの? 病変がハッキリ大きい?こないだのコルポスコピーの検査の時は、病変部が軽く白濁しただけとあったのに・・・。
困惑で手が震える。熱と痛みがあるときに、こんな不安定材料を与えられたら、頭の中はパニックになる。
「もう、温存はすすめられない。でも9月に全摘の手術日抑えてあるから。」
「鈴木先生、わたしは・・・子宮摘出手術するなら腹腔鏡でもできる病院で受けたいです。」
温存かどうかはどうでもいい。子宮取って困る事も無いと思っている。ただ、できれば腹腔鏡がいい。もし、わたしが40歳過ぎで体型もボロボロ、社会復帰も特に考えずという状態なら開腹でも気にしない。でも、30半ばの今やるんだったら、腹腔鏡がいい。
もちろん、「開腹手術をするか死ぬかの2択」だったら、すぐにでも開腹で子宮全摘する。でも、今のところ状況は違うわけだ。それに、どんな手術をするにしても、少なくとも、子宮がん治療件数が多い病院で安心して受けるくらいの選択肢はあってもいいはず。終始一貫性がない説明を繰り返し、不必要な混乱と心の不穏を招く病院は絶対に嫌だ。
「腹腔鏡で子宮頸ガンの手術を日本でやってるところはない。あるとしても一か所。倉敷の病院くらい。でも、手術もどれくらい待つか分からないし。」
倉敷の成人病センターのことか。確かに子宮頸がんの腹腔鏡手術を行った第一人者の医師がいる病院と見た気がするが・・・。
「でも、わたし何人か子宮頸がんのひとで、関東でも腹腔鏡で子宮摘出したってブログで読みました。」
「ガンは、腹腔だと危ないから。よく見えなくて取り切れない・・取り残しやすいから。」
取り残すって・・・それは進行している前提じゃないの?
「リンパを取る手術になると大掛かりになって、手術に時間がかかる。それだけで1日埋まってしまうから・・・枠を抑えるのは大変・・・。」
「リンパもとるくらいなんですか!?」
「分からない・・・。でも、他の病院で手術するなら、自分で探して。ただ長い期間待つことになると思うよ!」あくまでも非協力的かつネガティブな発言で固める主治医。
問題児の主治医にイライラ
なんだかムカムカする。腑に落ちない。円錐切除 の結果を語っているこの内容も、整理されてるように思えず、不安と苛立ちを掻き立てたが、腑に落ちない最大の要因は転院のくだりだ。専門家で病院に詳しいはずの医者が、素人の患者に対して、自分で病院を見つけてこいって。せめて『自費なら腹腔やっている病院も紹介は出来るけれど、確実なのは開腹手術だからあまり勧めない』とか言えなかったんだろうか?
いいよ。もう、この医者を信用したのが間違いだったんだ。自分で調べる。
腹腔鏡で子宮摘出は日本で一か所の超レアケースなのか
病院のベッドで、スマホを握ったまま数時間。調べた。腹腔鏡で子宮頸がんの手術(自費)を行っている病院。腹腔鏡で子宮頸がんの手術を受けた事をブログに書いている人。メッセージを出してみる。
やはり、首都圏で「腹腔鏡で子宮頸がん」とウェブ上に記載のある病院以外でも、腹腔鏡による全摘を選択してきた事例があった。そんなの、医療業界にいる人であれば情報として知っているOr簡単にわかるはずなのに。もう、私は二度と病気で平塚市民病院に来たいと思わない。
だれかのブログで読んだ内容を思い出した。
「AISに病院が慣れていないとどうするか?試行錯誤的にやって、患者が振り回される。その病院はガン拠点病院ではない。」「AISだけだったら単純子宮全摘で終わり。その病院は、進行具合の確信が持てないから急いでいる」
円錐切除 をせかしたのも、一貫性のない発言をするのも上の理由じゃないか?
この病院全体の機能やクオリティまでは知る由もないが、この医師に関しては上記を当てはめると完全にしっくりくる。毎回、その場その場、試行錯誤な発言が繰り返されてきたのではないか。
なんにせよ、私が今できることは、この医師以外、この病院以外での診断とその説明を受けること。病院側が非協力的なら、病理の結果が出たらスムーズな転院ができるようにこっちで下調べして手続きしておくことだ。円錐切除の病理結果がどうであれ、転院する。
結論は私の中で出た。
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