その日は金曜日だった。
円錐切除の4日後、退院から3日。
円錐切除が終わった後の会話で、結果も出てないのに病巣が大きいだの、子宮摘出は必至だの、リンパだの、取り残しがだの 主治医 に言われた影響で、精神的に落としどころがなくて我ながら滅茶苦茶な不安定に過ごしていた。が、仕事は手術2日後の水曜から復帰しており、この日もオフィスで淀んでいた。
初診から手術後に至る 主治医 の一貫性のない発言・対応で不信感が飽和したのは私だけではなく。私に付き添った母も。
「婦人科の部長も同席で説明が聞きたいです。」と要請してみたと母からのLINE。
事務の人か看護師が回答したらしいが、「部長は担当医が必要と判断した時だけ、同席する。患者の希望があっても同席はしない。」のだそう。
その回答の意味するところは、主治医の今までの不適切な言動=市民病院婦人科の方針として行っているという事。そんな病院を選んでしまった事が悔しい。病院選びの大切さを日々思い知る。不審に思えるところがあったら、あとから問題が一挙に噴き出してくる可能性が高い。そうなる前に病院チェンジ即決が必要なのだ。
勤務時間の終了と共に、オフィスを出て社バス乗り場に向かった。いつもどおりの混みあった社バスは、森の中を抜けて東海大病院横を右折し、駅方面へと30分かけて到着した。私は降車すると、小田急の踏切に向かって歩き出した。と、その時、スマホに着信がはいった。18:40頃。市内の固定電話から・・・。
「はい」って出たら
「鈴木です。」と主治医からの電話だった。
「ちょっと気になってたんで、病理の先生にお願いして急いでやってもらったんですよ。まだ全部は結果でてないんですけど、結果は悪いものじゃ無かったんですよ。」
ええと、電話で病理結果言えないんじゃなかったでしたっけ。
「円錐切除した部分からは、ガンは出なかったんですよ。扁平上皮の異形成はあるんですけど、腺がんのほうは、腺系の異常は何も出なくて・・・」
「え、腺がんのほう異常が見つからなかったって?それってどういうこと?」上皮内腺がんは少なくともあったって、あの手術後の発言は?
「うーん、パンチ生検で取りきれたって事だと」
いやいやいや。そもそも精密検査に行ったとき、腺異形じゃなくて扁平上皮の軽度異形成の疑いで生検やったから、腺がん狙い撃ちしたわけではないのに、たまたま数ミリ採取した部分の中だけに腺癌があって、取りきれたとか可能性としてとてもとても低いと思うんだけど。
「とりあえずいい結果だったってことをお伝えしとこうと思って。来週結果聞きにこれますか?」
「はい。ありがとうございまーす」振り回され、まわされ切った事に蟠りを覚えながらも、ここは一旦お礼を言っておいた。
という運びで、結果を翌週火曜日の朝、イタリアへ行く前に聞きに行くことになったのだが。
ありがとうとお礼を自分でいいながらも沸いてくる疑問。果たして、主治医は患者の状態が気になって(=私のことが心配で)結果を急いでもらったのだろうか?
単純に、右往左往する自身の判断に確信がないこととが気がかりだったのじゃないかと思ってしまう。そして、挙動不審で右往左往する判断力なのに自信だけはタップリあるから口にしてきてしまった事を部長にバラされることが怖かったんじゃないのかな。
これはどちらにしても、別の病院にいって病理のやり直しをして検証してみなければ・・・。