立ち眩み。 このよくある 貧血 の症状は、円錐切除の傷口から大量出血中や縫合止血してすぐに現れた。
それでも、所謂めまいや、立ち上がるとフラフラという立ち眩み現象は数日で無くなり、私は大量出血しても特に貧血にならずにすんだのかと思った。
が、それは立ち眩みが貧血の唯一の症状ではなかったから。
7月29日、止血のために縫合した当日。縫合は夜中の12時を過ぎていたのだが、その夜が明けてすぐ、私はシチリア島からウィーンへと飛んだ。
体が重い。ウィーンに着いてスーツケース2つを抱えて移動するのも、予想以上の暑さのせいか、荷物が重いせいか思うように進めない。体より、足が重いようだ。
足の感覚が弱い。
軽い胃痛がある。空腹で吐き気が出た時のようなみぞおちから上の痛み。
そしてオデコが抑えられるような重圧感ある頭痛。
ゆっくり休みながら、空港バスを経てウィーン市内のホテルについた後は、日曜だったこともあり近辺をふらふら歩いただけでその日を終えた。
翌日。朝食に近くのパン屋に行こうとホテルをでて歩いている時だ。急に心臓がバクバクして、みぞおちの痛みと吐き気が一気に襲ってきて、我慢できずその場にしゃがみ込んだ。たった数百メートルの距離なのに。相当空腹だったのかな・・・。
そう思って、なんとかホテルに帰り着いて食事を済ますも、気持ち悪い胃痛は治らず―――。
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貧血 の症状
さて、今これを書いている11月現在。いまだに不正出血を繰り返しているのと、病院にもその後何度も行っているので分かる事。
上記の症状は、全部貧血に当てはまる。改めて整理してみると、大量出血後~数か月の間に私を困らせた症状は以下の通り:
・立ち眩みとふらつき
・階段上り下りの息切れ(と動悸)
・安静時の乱れ続ける動悸
・手足の痺れと震え
・みぞおちから来るような胃痛と吐き気
・頭痛
・だるさ、倦怠感
中でも困るのは動悸と胃痛。この二つが共存すると、本当に何もできない。頭痛も、胃痛に連動して来る。その場合、当然痛み止めなど効かず、横になるしかできない。
ただ。動機と胃痛があると横になっても辛い症状が改善されないから質が悪い。貧血は即効性ある対策がないからツライ・・・。
また、動悸・胃痛(吐き気)・手足の痺れは貧血の症状だと思っていなかったので、最初は原因が分からず不安になった。
胃痛(吐き気)
胃痛は軽い時と酷い時の格差が激しく、一日のうち午後のほうが酷くなる傾向があったため会社でどうしようかと途方に暮れた。
痛みと言っても鋭い痛みではない。おなかが好きすぎた時の吐き気のような、みぞおちから喉までが嫌な空気に包まれているような違和感がある。
ある日、昼休みにご飯を食べてからの事。おなかはいっぱいのはずだし、おなかは空いていないが、この空腹時のような違和感の胃痛と吐き気が強くなってきた。
とりあえずお水を飲もう。
2リットルで常備してある常温ミネラルウォーターを飲んで気を紛らわすも、吐き気はどんどんひどくなる。それにつれ、脚もふくらはぎから下が痺れているのに気付く、手も痺れる。
何より胃がどんどん気持ち悪くなってくると、みぞおちは差し込むような痛さに変って来る。鋭いとはまた違うけれど、みぞおち部分に棒を押しあてられているような。座っていることがつらい。
手足の痺れ
イタリアの救急病院で止血の縫合をした後、家に戻った時に抗生物質を一応飲んでおくことにした。水を入れたコップを渡してもらおうとして気づいた。
右手でつかめない。
つかむ焦点が定まらないというか、そのまま渡されたら落としてしまうと直感的に思った。もう一方の手で右手首を掴みながらコップを受け取った。
同じようなことが、帰国してからも度々あった。手首から先が痺れていたり震えたりして物を掴めない、落としてしまう、PCに入力をしていて何だか手がうまく動かないなど。
脚のほうは、なぜか正座をした後のように、痺れてしまう。普通に椅子に座った状態で。ジーン・・・。
動悸
駅で階段を上り下り、会議のため移動で社内を階段移動。
それだけで、心臓バクバク。乱れる。
またなぜか寝る前も横になっているのに動悸が激しくなり、なかなか収まってくれない。なので、眠れない。
ということが、大量出血後2カ月ほどつづいた。犬の散歩で走ったりしても当然、動悸がする。まず、この状態で走るのが難しい。
怠さ
怠さというか、すぐ疲れる。動くと動悸が激しくなるし、胃痛と吐き気は一日の後半にひどくなるし、頭も痛くなるしという状況では、疲れるのも当然。
ワンアクションしたら合間をおかないと無理。基本、体が重いのです。
血液検査: 貧血 はどの数値で分かる?
大量出血をしてから1週間後、がんセンターにて血液検査を受けた。
結果:貧血と判断。ヘモグロビン 10。
ヘモグロビンの標準は11.5以上なので基準値以下。が、大差がない。
今年の自分の3回にわたる血液検査のヘモグロビン値はすべて13~14。確かにそれよりは下がっている。
だが、ヘモグロビンの数値だけ見ると、急落しているわけでもないような・・・?なのに、こんなつらく感じるのか・・・。
一般にはヘモグロビン値だけを調べる血液検査。その時も、ヘモグロビン値しか検査しなかったのだが、実際は血清鉄とフェリチンが関連してくる。
貧血の検査で見る2つの項目:ヘモグロビンとフェリチン
円錐切除の傷口から動脈が切れた時には、止血するまで3時間ほど凝血と鮮血で出血が続いた。なので桶いっぱいくらいの量の血が排出されただろうか?
体内の鉄の約70パーセントは赤血球のなかのヘモグロビン、ヘム鉄でできている。残りの約30%はフェリチンと呼ばれる貯蔵鉄。
身体は、摂取される鉄少なくなる、もしくは排泄される鉄が増え、INとOUTのバランスが崩れると、まず貯蔵鉄のフェリチンが切り崩される。
まず貧血になると、血清鉄が高く貯蔵鉄=フェリチンが低い状態として血液検査結果に出てくる。
更に鉄のIN<OUTの状態が続くと、血清鉄が減少する。よって血清鉄を原料としているヘモグロビン値が下がる。
これが一般的に貧血として認識される鉄欠乏性貧血の状態となる。
つまり、私の大出血のケースに当てはめると:
- 動脈より出血=排泄される鉄が急に増え、まずフェリチンが下がる。
- 更に出血状態が続いたため、血清鉄が減少。
- 原料である血清鉄が減ってヘモグロビンが下がった。
段階を踏んだ結果、下がり幅が少なかったのではないかと。
隠れ貧血とフェリチン
実は、私がこのヘモグロビン値10と出たのが8月3日。3週間後の8月26日に受けた詳細な血液検査で出たフェリチンの値が30。基準値内。ただし理想値は女性 45.1 以上。
しかも、これまで15年間の私の血液検査でのフェリチンは143~200超えを誇っていた。それはそれで異様に高いのだけれど、140⇒30はさすがに落差が大きい。
フェリチンが低いのが原因で貧血状態になっているのを隠れ貧血と巷で呼ぶらしい。
今の身体は、私にとっては結構な隠れ貧血な状態なんだろうな。どうりで肌も一気に荒れた。(肌荒れも貧血の症状の一つとしてある)
この日、ヘモグロビンは12。まぁもうそこそこ回復している。だが、
フェリチンが回復するのはそれより時間がかかるから、まだ低い。まだ鉄不足。そして、まだツライ。隠れ貧血は続くということのようで。
貧血の治療方法
1.鉄を補う
貧血の原因は鉄不足。貧血だと病院で診断されても、基本的に治療は鉄剤を飲みつづけること。
病院処方意外だと、サプリメントや食事で鉄分を補うことで貧血状態を改善していくしかない。私のように、一気に鉄分をうしなって貧血になっている場合は、食事だけだと間に合わないだろう。
ということで、今はサプリで鉄、プロテインパウダーをシェイクしてタンパク質を補って対策中。
↑獣医学で世界的権威のあるアメリカのコーネル大学、ジョセフ・ワクシュラグ教授による臨床実験 って書いてあったけれど、コーネル大学は私の出身大学だわ・・・。
2.葉酸を補う
あとは葉酸も飲んでいる。これも貧血のため。
女子のおまもりサプリ 鉄+葉酸
血液検査の結果、MCVが高かったから。
MCVとは「赤血球の大きさ」で、大きくても小さくても種類の違う「貧血」が疑われる。特に大きい場合は、葉酸やビタミンB12不足による「赤血球の巨大化」の可能性がある
らしく。MCV高い=赤血球が大きい=これまた貧血になる=葉酸不足が原因。鉄不足の貧血とはまた違う葉酸欠乏性貧血というらしい。
鉄も葉酸も、どこかこれのサプリじゃないとダメというより、異様に安い含有量が疑わしいような製品以外で好きなサプリを選んでを飲めば、飲まないよりは効果あるだろう。
改善を期待するため大事なのは、「一定期間飲み続けること」と思う。
ちなみに、子宮頸がんで円錐切除をされた方は、大量出血による貧血を引き起こさないよう、術後は安静にされることもお勧めします。
どうやら、アクティブに動くと動脈が盛大に開いちゃうところまで行った人は少なくても、ドバっと派手に出血するくらいの人は結構いるよう。話を聞いてみると、共通点は比較的出かけていたこと。
動くと、縫うまで行かなくても、公共の場で血だらけになる確率は上がるようなので。