子宮頚ガン。 腺がん 。上皮内腺がん。
病院で受けた診断結果の説明は中途半端だった気がした。
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病院はAISについて説明しない
腺癌だから。早く、とせかす印象だけが残る断片的な説明。最初に病気の全体像を説明した上で、私の状態がどこに位置するのか、どんな可能性があるのか、判断材料は何か、などなどピンポイントで説明するという流れでは無かった。気がする。
私は「 腺がん 」という単語を聞いたのは、その時が初めて。
「 上皮内腺がん 」と「スキップリージョン」って二つのキーワードが登場したところで説明はほぼ終わり。私にとっては謎解き。
不安。分からな過ぎて。
説明している相手に内容が伝わらないこと前提の説明など、説明していないのと同じ。同じ処置を同じ作業レベルで行っても、処置前の状態や処置の目的・効果について相手に的確に伝えていたか否かで、行った仕事の「相手から見た」価値や質は変わってくる。
手術前に相手に十分説明しておいた方が患者も医者もWin-winなのに・・・医者って大学の時にコミュニケーションのクラスとかないんだろうか?毎日患者と話す仕事なのだから、コミュニケーション能力は絶対不可欠なスキルなはずだ。
「 腺がん 」とは?
6月27日、病院での病名を告知された日、そのあと腺がんという言葉が頭から離れない。もっとよく知らなくては・・・。消えては浮上してくる不安で、勤務時間中も、集中力は病気についての憶測にもっていかれる。この状態で2週間。エンスイセツジョの手術日を待つ間続くのか。長い。
子宮頸がん「腺がん」とは?
こんな時、何時でも何処でもできるのはGoogle検索。Google検索せずには居られない。
キーワード:子宮頸がん 腺がん
予後の悪い腺がん。悪性度が高い。再発しやすい。転移しやすい。早期発見が難しい。などなど、ネガティブモードを全力でオンするような恐ろしいキャッチフレーズがラインナップしてくる。胃が痛くなってきた。
いや、でも私は「上皮内」腺がんなのだ。
子宮上皮内腺がんとは?
キーワード:子宮 上皮内腺癌
これで検索していくと、Amebaなどの宮頸がん治療歴ブログが上のほうに出てくる。覗いてみたブログの半数くらいは、円錐切除で取り切れて経過観察のままの人。一方で円錐切除のあと、子宮摘出をしている人も少なくないようだ。
また・・・円錐切除の結果、実は上皮内に留まっている状態だけではなく、浸潤があった人も居る・・・そう読むと怖くなる。
どうやら上皮内腺がんの場合でも、基本的な治療は円錐切除で病巣から上皮内確定(浸潤がないことを確認)のあと、単純子宮摘出するというガイドラインなようだ。2割くらいの確率で奥の方にガンが残存するor再発の可能性があるらしく。ただし温存希望の場合には、定期的に細胞診をしながらの経過観察。
↑これくらいの事までは病院で診断結果を伝えるときに、説明するべきなんじゃないか・・・。
上皮内腺がんについて情報の見つけ方
腺癌に関する知りたい情報は、うまい具合に引っかかってくれない。特に「上皮内腺がん」に限定して調べると、Google検索で引っかかるソースは少なくなる。子宮頸がん で見つかるガンに関するサイトはメインに扁平上皮癌について語っていて、腺がんは除くだとか、腺がんアウトサイダー的にちょろっと記載があるだけだったりする。
(検索ワードに突っ込みが足りなかった。この後、知識がついてきて検索ワードに「SCジャンクション」などやや突っ込んだワードを入れると、腺がんについて分かりやすく書かれたサイトが十分ある。)
上皮内腺がんのブログを探す
そんな上皮内腺がん情報で内容が濃いと感じたのは、ブログ。その中で、こんな記載を見つけた。家族に病理医がいるという人が書いているブログ。「慣れていない病院はAISが見つかるとうれしい」「患者は振り回される」
私のカルテには何と書いてあったっけ・・・一か所がsevere dysplasia とmoderate dysplasia と・・・あともう一か所が・・・adenoなんとか・・・そうだ。Adenocarcinoma in situ =AISなんだ。
AISに慣れてる病院を調べる
AIS( 上皮内腺がん )は慣れてない病院だと患者が振り回されるという記載。気になる。年間の子宮頸がん治療症例数を検索してみると、うちの市民病院は神奈川県内で15位以下くらい。つまり、少ない。子宮頸がんの8割は扁平上皮癌。残りに腺がんがあるとすると、症例数はもっと減る。腺がんでも扁平上皮癌でも治療は一緒だから関係ないといえばそうなのかもしれないが、あんまりないほうのガンだと、そもそも的確な病気の判断ができない、結果的に確かな対応ができない可能性など高くなるのではと心配でならない。
英語でAISを調べる
キーワード:adenocarcinoma in situ
英米の子宮がん専門のフォーラムが真っ先に引っかかった。腺がん、上皮内腺がん共に経験者によって語られるトピックが豊富かつレスも多い。イギリスのJo’s cervical cancer trustという所のフォーラムは今日もアクティブに書き込まれている。
アメリカのサイトのほうにも、過去にAISがトピックになっているスレに何ページもレスが続いていた。読み進めると「AISはガンではない。」という文面。前がん状態だからガンとは区別すべき。円錐切除 Cone Biopsy (方法はCKC=cold knife cone, LEEP) をして、今までの経緯をよくわかってるドクターの元で経過観察をする事、ちゃんと定期フォローの検診アポにはいく事を守って入れば、大丈夫とある。断面陰性(MarginがClearであること)が判断材料の一つなので、術法は断面が焼けてしまうLEEPよりも、確認できるCKCが望ましい。
前がんはガンではないとの記述でちょっと楽観的になれる。円錐切除、私はどの方法なんだろう・・・。抜糸の来院の話とかなかったから、普通に切って縫うCKCではないんだろうな。
この日は、とりあえず自分がたどり着いた情報で子宮頸がんの「扁平上皮癌」と「腺がん」の違いが何となく分かった。
扁平上皮がん と 腺がん の違い
Googleで見つかった扁平上皮癌と腺がんの違いについてまとめてみた。
扁平上皮癌
扁平上皮癌 squamous cell carcinoma:最も一般的な子宮頸がんの種類。8割くらいが扁平上皮癌。子宮頸部の膣に近い外側の表面を覆う細胞=平たい細胞が何層にも重なった細胞でできた扁平上皮。ここにできるのが扁平上皮がん。
腺がん
腺がん adenocarcinoma : 縄張りを拡大していくように広がる扁平上皮と違って、一か所に留まるのが嫌いな腺がん。lesionがSkipするとはそういうこと。子宮に近いほう経管部の粘液を分泌する腺上皮にできるガン。健康診断で行う細胞診のような表面を拭う検査でとる外側の部分より、もう少し内側(奥)のほうにある事がおおいので、検診では見つかりづらいと言われる。腺癌の発生率の記載はサイトによって違い子宮頸がんのうち1割―2割くらい。
腺がん経験者のフォーラムやブログでも、子宮がん検診を定期的に受けていたのに、ガンになった状態で見つかった人が結構いた。子宮頸がんは細胞が正常からガンになるまでに2-30年かかると言われているが、やはり年に一回の定期健診でPap smear (細胞診)を受けていても、腺がんは見つかりにくいのだ。
こうして、病名を聞いた当日は夜中までネットをあさり気づけば夜中1:00。とりあえず、自分は 上皮内腺がん =AISなら0期で、ガンとはいっても前がん状態。予後の悪い腺がんも0期なら治癒はほぼ100%。
と、言い聞かせて、寝る。