英語の話でも、Arduino商標問題の真相でも何でもありません。
Italian Jobとは、イタリア人に対する皮肉に使われる表現です。
そう、今日はイタリアの話です。写真はイタリアの海です。綺麗ですね。
Arduinoが2社に分裂してる件に関するイタリア語の記事の中で、
Arduino: speriamo non diventi il solito “italian job”
という記載がありました。
http://it.emcelettronica.com/arduino-speriamo-non-diventi-il-solito-italian-job
Arduino騒動の結末が「よくあるitalian jobにならないことを願おう」というような内容になりますが、このitalian jobって一体どういう意味なんでしょう?
ItalianJobの由来と意味
直訳するとイタリアの(イタリア流の)仕事ですが、そのままの意味ではもちろんなく・・・
もうこの一文だけみても、なんとなくイメージで検討がつく人もいるかもしれませんね。
Italian Jobは1969年のイギリス映画のタイトルThe Italian Job (邦題:ミニミニ大作戦)から来ている言葉のようです。
ロンドンのとある刑務所を出所したチャーリーは、ボスであるブリッジャーの指示により、トリノで400万ドルの金塊を手に入れる計画を立てる。
というイタリアで金塊を盗み出す話。
イタリア語のタイトルはItalian JobではなくUn colpo all’italiana
意味は・・・
un modo furbesco (all’italiana, appunto) e non troppo legale di ottenere qualcosa.
significato più sottile, che lascia intendere che gli italiani sono i ladri per antonomasia,
つまりイタリアンジョブは、仕事が泥棒のごとく、ズル賢く、正当でない方法(盗む、騙すなど)で何かを自分のものにしちゃうこと。イタリア人の仕事ぶりが、そういったナチュラル泥棒気質な傾向にある事を言っているようです。
ItalianJob 実用例
1. Arduino内部
Arduinoの創設者たち5人の間で起こっている紛争をここで整理してみる。5人は二つに分かれた。
1つはArduinoの生みの親でPRの中心にいたMassimoBanzi率いるArduinoLLC(ボストン)。もう1つはSmartProjectsという名前の会社で、Arduino基板を作っていたGianlucaMartinoが、新しくCEOをFedericoMustoという外部の人にして、会社の名前をArduinoSRL(イタリア語でSRLはSocietà a responsabilità limitata有限会社)にした。
それで、アメリカではLLCがオフィシャルなArduinoだけど、それ以外の国でGianlucaが内緒で自分の会社の方で登録しちゃったからSRLが権利を持っている。そして、基板にも思いっきりSRLって入れだした。簡単に言うとそんな感じらしいです。
ここで【Italian Job】が指すのは、Arduinoの父的な立場のMassimoの知らないところで、全て横取りするためにSRLを作り外部の人間をCEOにしちゃおうという仕事っぷりのことですね。ずる賢く、全てかっさらって行っちゃうような結末だったら、Italian Jobになっちゃうからやめてよねって。
2.某二つ星イタリアンがやってるボロ儲け
Italian Jobってわたしの個人的な体験でも言われたことがあるんですが。イタリア料理人修行時代のエピソードを友人家族に話した時に「それ、Italian Jobだね~」って。
修行先の超有名2ツ星レストランで、オリーブの瓶詰めをしていました。自分ところのレストランブランドで日本などに輸出するための高級ガストロノミー商品です。えーと、中身なんですが、近所のスーパーに売ってた大量入りのやつを買って詰め替えてただけです。
まさに、The Italian Jobですね。自分の畑でとってきたふりをして、高額な値段をつけて、消費者を騙してるわけですから。当時の一緒に働いてる料理人たちに、恥ずかしくないのか聞いたら
「なんで?だってぼったくっても売れるんだから、利用するのは当然でしょ」
だって・・・。
そんなイタリア人の考えが、信じられないなとショックを受けた当時の私は純粋だったんですね~。
今日はいつもの真面目な英語習得Tipから離れて、イタリア人のずる賢い精神を表す”Italian Job”の話でした。
みなさんも、イタリアに行くことがあったらItalianJobにはくれぐれも気をつけて、ItalianJobを見かけたら「あ〜これが噂の」と思ってください。
[Widget_Twitter id=”1″]