日本人の英語と言えば「文法はできるけど、会話が・・・」なんて聞くのを鵜呑みにしていませんか? 日本の英語教育が失敗していている本当の理由は文法のやりすぎではありません。文法をやりすぎる害なんて実は一つもないです。むしろ今の日本の英語教育では文法さえ足りないくらい。
では、日本の英語教育の決定的な問題点は何なのか?
会話が足りてないから日本人は英語が出来ないのでしょうか?それも違うのです。
そんな単純に一つの要素が抜けていることが、日本の英語教育を失敗させている原因ではないのです。
日本人が英語できない根本的な理由は何?皆さんはご想像ついているでしょうか。
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日本の英語教育が失敗している理由は文法やりすぎでは無い
文法が必要ない論は完全に誤りです。文法が無茶苦茶だと伝えたい内容が伝わりません。
英語は日本語と違って、文法が非常に型にはまっているため、むしろきっちりやっておけば言いたいことを言おうという時に無駄に迷うこともない。考えなくてもスラっと適切な構文が口からこぼれる程に文法が叩き込まれている状態は、メリットしかない状態。
英語が出来ない理由を文法のせいにする3つの理由
文法が身についているのはメリットしかないはずにも拘らず、文法不要論が語られるのは3つの理由が考えらえます。
- 「崩した英語が話せない」理由が文法のやりすぎだと思っている。→日常会話やSNS上の砕けた、端折った言い方が理解できない、そして使えない。この原因を文法のやりすぎと結論づけ。
- 教えられる文法の用法が不適切であったり、教科書通りの教えた文体以外は不正解とする超限定的な文法だけが受け入れられる状況が積み重なって文法の不自由が出来上がった。
- 別の問題に目が向くのを避けたいから。
くずした英語もそもそもは元の文法が分かったうえで崩しています。
正しい文章がわからず、崩したフレーズの数パターンだけ使っていたとしたらどうなるでしょう?文法がおかしい文章というのは、公式の場では使い物になりません。「この人頭悪いね」と思われて、対等に見てもらえず終わります。
そして文法論へのすり替えが起きる原因3.でいう別の問題が、日本の英語教育の本当の問題点になります。
日本の英語教育の本当の問題点
文法論に隠れてあまり語られてきませんでしたが、日本の英語教育の問題点は、授業で全くやってこなかった内容にあります。
会話の練習が足りないと言われていますが、会話も授業で多少練習しますよね?今は各公立校ALTの外国人講師もいることですし。
英語の授業で根本的に全くやっていないけれど、英語を自分のものにするには必須なことって何でしょう?
圧倒的に足りない英語で考える習慣
すなわち英語で考える習慣づけを教えていない現実、これが英語教育の大問題なのです。日本の英語教育が失敗している本当の理由は、英語で考えるための勉強が無いからです。
皆さんは学生時代、英語で考える訓練を受けた記憶がありますか?
義務教育では少なくとも、英語にするために脳を使う授業はあっても、英語で脳を使う授業というのは無かったはずです。
私たちはいつも「この日本語を英語でどういうか?」を英語の授業で考えるように教育されてきました。
しかも教えられる例文はいつも型にはまっている。試験で出る文法と単語の組み合わせパターンだけを覚えて、それを使って「この日本語を英語でどういうか?」を実践してきたにすぎません。
でも、これでは何かを見たり、何かについて考えるときに、英語で感情を自分の中で言語化させたり、英語で考えを生成するという状態は起きないでしょう。
英語で考えないと、結局頭の中で毎回翻訳するしかありません。メールなどの文章では対応できても、口頭では脳内翻訳はスピード的に難しいですよね。
常に、知っている英語で頭の中で情報や考えを持ち、それを表現する習慣が必要です。
次回:英語で考える脳を作る勉強法について
足りないのは英語で考える習慣・・・と分かったところで、英語で考える状態を作り出すための勉強法とは、具体的にどういうことが出来るのでしょうか?
次回、英語で考える習慣を身に着ける確実な方法をお伝えします。またその習慣によって、ビジネスに役立つスキルの差別化が可能である理由についても解説します。