私が子宮頚部上皮内腺がんで円錐切除を受けたのは4年前。 円錐切除術後の生理不順や生理痛の異常さは残念ながら克服とは言えない。
ただし良くなってはいる。
それは物理的に良くなっている点もあれば、精神的な点からの回復もある。円錐切除後の生理不順に関しては、多くの同じような悩みを抱える女性から問い合わせいただくので、以下にあげる私が試して効果のあった生理不順の対応策を参考にしていただければと思う。
【この記事はこんな人にオススメ】 ・円錐切除後の生理不順に長期間悩んでいる女性 ・円錐切除後の生理不順を治療したい女性
Content
円錐切除術後の生理不順 現状のおさらい
まず私の円錐切除後の生理不順が当初どれだけひどく、それがどこまで改善したのかだ。
円錐切除術(4年前)後の生理不順
- 生理じゃない時も常に出血している。完全に出血が止まっている日があっても月に数日~5.6日レベル
- 本格的な生理開始前に1週間ダラダラ出血
- 本格的な生理終了後に2週間くらいダラダラ出血
- 生理が本格的に開始するまでの生理痛が酷い。大量出血日よりも大量出血するまでが痛い。
現在の生理不順
- 出血していない期間は毎月2週間くらい
- 本格的な生理が始まる4,5日前から出血したり止まったり
- 生理開始ぐらいの生理痛が異常。手術直後よりもずっと酷くなっている。
- 生理の大量出血は生理開始から5日後くらい。
- 本格的な生理後に1週間ダラダラ出血する。
ということで、生理痛のひどさを除いては、術後より現在の方が生理不順は良い方向に向かっている。出血していない期間が月に数日→2週間に改善したのだから。
ただし、根本的には解決に至っていない。このまま更年期になって、医者からは円錐切除がどうとか考慮してもらえなくなる可能性しか感じられない。
という感じだ。ただ、精神的にはかなり楽になりQOLは上がったと思う。深刻に悩まずに済んでいる。それは以下の理由からだ。
円錐切除術後の生理不順 を克服する5つの方法とは
気楽に気長に捉える
気楽にって出血は煩わしいんだよ!と思うのは当然だ。しかし気楽になれると悩みも軽減される。気楽になれるのは以下のような理由がある。
・仲間が居るから
円錐切除を受けた女性の3割が長期にわたる生理異常や生理不順を経験する。このサイトを訪れる女性が残してくれるコメントを見て、「同じ悩みを共有できる人たちがいる」と私も勇気づけられた。
仲間が居て、同じ悩みを共有して逞しく日々を生きているという事実を知れば、心強いはずだ。
・生理不順の原因究明にかかる年月は平均9年かかるから
円錐切除が切っ掛けであれ、普段から生理不順や月経困難症を抱えてる女性であれ、婦人科に通ってから実際に異常の原因が分かるまで平均で9年かかるとの米国のRomm医師は言う。
上記リンクのインタビューで医師はこう言っている。
“On average it takes five years and four doctors for women to get an autoimmune diagnosis, and nine years to get an endometriosis diagnosis.” These patients are often prescribed anti-anxiety medications instead of an effective treatment.
「自己免疫疾患の診断を受けるまでに平均して5年と4人の医師が、子宮内膜症の診断を受けるには9年かかります。」この間、患者には実際的な効果のある治療法ではなく、抗不安薬が処方されるケースが多いのだ。
原因究明、つまり正しい診断に至るまでには「あなたの精神的な問題じゃないのか?」「異状ないのに大げさに話してるだけじゃないのか?」「年だからホルモンバランス崩れてるんだ」などと適当にあしらわれて、精神的に追い詰められる女性が多数だという。
それが結構当たり前の世の中であることを知っていると、「自分の円錐切除後の生理不順も解決策が見つかるまで長い年月がかかるって当然」と緩やかな心持ができるだろう。
もちろん、もっと女性のQOLを上げる事にもっと熱心な世の中にはなってほしい。そのためには、めげずに私らひとりひとりが「私の生理やっぱおかしいです。原因と解決策を探してください」と言い続けるしかないのだ。
・慣れるから
声を上げるのは大事だが、あまり神経質になると毎日が余計暗くなる。気楽になりながら自分の生理異常を見守る必要がある。その境地に達するには、自分の状態にある程度慣れる必要がある。
つまり時間がかかるんだ。
術後年数がたつと、出血している状態に慣れっこになってくるので、そうすると生理不順ばかりに気がいかなくなり気楽になる。
周期表を付ける
すでに多くの女性が行っていることと思うが、生理の周期表を付けることも出血の異常が改善しているのか、悪化しているのか観察するために必要なツールだ。
オススメなのがFloというアプリ。
自分の症状を記録
自分の症状(痛みの箇所、出血具合)など記すことで、セルフセラピーのような効果もある。自分の痛み、出血があることなど誰かにこぼしたくてもこぼせないこともあるだろう。そういう時、記録をつけるという方法でアウトプットするだけで、ずいぶん楽になる。
改善したら一目瞭然
今までつけた生理周期や症状の記録いつでも見れるので、過去の自分…例えば2年前の自分の状態から改善しているのか明確に確認できる。
あ、少し出血してない日、増えたかも。
と思った瞬間、確認してやっぱり増えたな~とニンマリしてしまう。それでもほかの人よりは出血全然してるんだけど・・・。
伸びた無出血Daysを目視。これは結構励みになる。今後も改善するんだろうなという期待が持て、気持ちがポジティブになる。
出血中も好きな事をする
出血しているからと好きな事をあきらめたり、いつもより控えめに行ったり、好きな事を忘れて居ないだろうか?
出血しているかしていないかに関わらず、好きな事を出来ているという感覚はハッピーで居るために大切だ。円錐切除してからずっと出血してようが、好きな事をすること。こうしているうちに改善することも、出血が気にならなくなることもある。
生理でもできる好きな事を見つける
出血していると、どうしても出来ないアクティビティが好きだった場合は、新たに趣味を見つけるのがオススメ。生理でも変わりなくできる好きな事を探してみよう。
出血していても気にせず好きな事をする
出血していて出来ないことって実は少ない。自分が自分にOKを出して活動してしまえば何のこと無い。そんなケースが多い。
出血ずーっとしていた当初、私はかなりの運動系アクティビティを諦めていた。水泳だのダイビングだの、出血しているとどうしても気になるウォータースポーツ系。
ただ、途中から出血してようが何だろうがプールにも海にもいくようになった。タンポンしてれば、別に平気。ごく少量の出血であれば、タンポンも要らない。アクティビティを行った後に血の付いた衣服を洗うのが面倒だけど(なかなか落ちないし)、その手間さえ受け入れてしまえば構わない。
私はそうやって、アクティビティの制限を外して何でも自分のタイミングでやるようにしていたら、出血してるかしてないか大して気にならなくなった。
長年出血が続いてる方は私と同じように「もう気にしてらんない」と気分を切り替えて人生を生きている人も多いんではないだろうか。気持ちは行動と共にしか変わってこないので、まずは行動をアクティブにすることに集中してみてほしい。
そうしてる日々活動的に楽しんでいるうちに、私の場合は実際に出血してない日も増えていた。
生理不順について定期的に婦人科を受診する
円錐切除術後の定期健診に行く
子宮頸がんで円錐切除を受けたら、5年間くらいは定期検診がついてくると思う。それには必ず行くこと。そして、その場で生理の出血が長い悩みを医師に毎回話すこと。医師が嫌でも脳裏に円錐切除で生理がおかしくなってる事を刻めるように毎回いうのが大事。
諦めないで。その医師が何かの学会に行った際に、解決ヒントになるような話を聞いて、患者のあなたに試してくれるかもしれないよ。
病院の新規開拓も視野に入れる
前記したように、生理の異常に関する原因を適切に診断するまでに約9年もの期間が平均してかかるといわれる。
それだけ、医師の中で患者の問題解決を本気で考えているコンサルのような存在が少ないのもあるだろう・・・。なので、「この医者なんか私の精神的な原因攻め始めたんだけど、何?」とか患者に思わせるような失礼な医者、責任転換する医者だったら、違う病院行こう!あまり次の病院にも期待せず、バンバン変えてこう。
人生は短い。しかも人生は一回だけだ。あなたの症状に真剣に向き合ってくれない医者と付き合ってる暇はないのだ。原因究明して、もしくは改善する方法を様々な方向から提案してもらって、煩わしい症状とおさらばできるように尽力しようよ。
ダラダラ出血中の快適グッズの常備
残念ながら、生理の異常に長い症状を一発解決できる方法がない。1週間2週間という短期で改善する方法もない。ということで、常日頃から出血状態を解決にするグッズだけは用意しておこう。
具体的に症状が改善するわけではないが、できるだけ快適に出血状態を過ごすためにドラッグストアで仕入れられるものを紹介。
軟膏を常備
生理用のナプキンやライナーを毎日付けていると、どんなに敏感肌用の製品を付けていたって蒸れる。かゆい。荒れる。腫れる。なので、かゆみや炎症を抑える塗り薬を常備しておくことをお勧めする。フルコート
私はステロイド軟膏を使用。皮膚に悪いとか言ってられない。煩わしいかゆさよりマシ。
ライナーを大量常備
ライナーもほぼ毎日のように携帯しなければいけない。素材が綿とか自然系素材の方が良い印象があるけれど、私はあまりお勧めしない。なぜなら、あまり抗菌作用が無いように感じる。臭いがこもりやすいというか。
蒸れやアレルギー反応を避けるなら、自然は素材にこだわるよりも、ライナーを秒速でかえられるくらい、大量に持っておいてかぶれないようにする方が効果的だと思う。
汚れても良いコットンショーツ
私だけかもしれない。私だけかもしれない。・・・が
生理が長い長い日々になって、常にナプキン状態になって、肌が弱くなったのかポリエステルなどの化学素材系ショーツが本当につらくなった。
そんなわけで、少量の出血の日には多少汚れても大丈夫、かつ多少血がついても服まで貫通しない厚めのコットンショーツをはいている。ごく少量の出血だったら、ライナーも何も当てない方が快適だし、ナプキンずれなど煩わしさもない。
オススメはウンナナクールかIntimissimi。
ウンナナンクールはAmazonが安くて、Intimissimiは公式サイトの夏・冬セール期間が安い。
どちらもコットンショーツでは比較的おしゃれだ。ユニクロは安いかもしれないが、どうもデザインとかフォルムが気分を向上させてくれない・・・。
円錐切除術後の生理不順でQOLを上げるための考え方
特効薬が無い中、憂鬱にならず、治るって希望を持ち楽観的に前向きに生きる。というのはただでさえストレスが多い中、簡単ではないと思う。
でも、下がったQOLを上げるには、地道な対応を積み重ねることが大事なのよ。
手術を受けたり、年齢を重ねたりすることは、体にダメージを与えることに直結する。これは避けて通れない事実。また、その増えてくる体の不調や不都合を、消しゴムのように消し去る方法が無いのも事実。
ならば、何をすれば自分の体調や症状が良くなるのか?
必要なのは、自分自身でコツコツ調べ、色々な方法を日々試す行動。そして、楽観的に人生をとらえる思考を育てる事だ。
もし、円錐切除による生理の異常に悩んでる人が読んでいたら、参考にしてほしいと思う。