コロナから一気に浸透したワーケーションという働き方。しかしながら、ワーケーションのデメリットはあまり語られることがない。
ワーケーションといえば「海辺でパソコン」的な表面的なイメージが独り歩きしている気がしてならない今日この頃。ワーケーション・ニーズを喚起したい航空会社や旅行会社のサムネはいつも「海辺でパソコン」。
でも、そんなワーケーション環境で本当に生産性とパフォーマンスが向上するのか?全然仕事がはかどらないって可能性はないのか?
ワーケーションをしている人のSNS投稿や社内報告を見ると、早めに休暇に入る言い訳に使われることが多い事が分かる。ワーケーションで生産性が上がるのかレビューしてる人っていない。
そこで、沖縄の離島に移住して、一般的に見れば年中ワーケーションのような仕事スタイルをしつつ、ワーケーションで訪れる人に日々出会う筆者がワーケーションのデメリット、ワーケーションの懸念点、そしてワーケーションを成功させるコツについて解説します。
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ワーケーション最大のデメリット
ワーケーションの働き方と言えば、定番スケジュールはこんな感じ。地方などバカンスで訪れるようなリゾート地に行ってネット環境が整った宿泊施設やシェアオフィスで仕事しつつ、仕事を早めに終えて近隣観光地で遊ぶというスタイル。
最大のメリットは、東京や都会ではできない遊びに仕事が終わったらすぐ行けるところだろう。
では最大のデメリットは何か?
ネット環境
ワーク&バケーションのワーク部分をする際に、多くの人にとってまず気になるのがネット環境だろう。
ネット環境が安定しないという問題が注目されがちだが、最大のデメリットはネットスピードではない。
ネット環境が整った場所が「どこなのか」がデメリットの有無を決定づける。
ネット環境があるスペースはどこ?
ワーケーションのワーク環境はネットの快適さだけではなく、ワークするスペースに誰がいるのか何があるのかによって大きく左右される。
ホテルの個室なのか、コワーキングなのか、ゲストハウスなのか?
作業スペースの環境によって、仕事の生産性は大きく変化する。
生産性を上げるための環境条件は一人ひとり差があるが、不特定多数の話し声でうるさい方が集中できる、静かだと仕事にならないという人は少数派ではないだろうか。
ネット環境が万全で、遮音性も必要ならば高められる場所。集中作業ができる場所。情報漏洩の心配がない場所。こういった環境要素は重要だ。
沖縄ワーケーションでコワーキングスペースを使うデメリット
地方でワーケーションに来たほかの人とのつながりを求める場合も多い。そういった場合、地方の「東京やその他都会からワーケーションに来た人をターゲットにしたコワーク」というのが良くある。
離島のコワークは思ったより騒がしい
コワークは都会でも多少その傾向はあるが、沖縄のリゾート地や離島は特にガヤガヤとした周りの話し声がうるさい傾向にはある。バケーション気分だし、95%バケーションのつもりで来ている人もいる。つまり、それ程集中力の要らない作業を普段している人がワーケーションに来る率が高い。だから騒々しいスペースになりがちだ。
そんな結構うるさくて、人の出入りの度にランダムな会話が耳に入ってくるスペース。そのうえ、スタッフがのんびりと内輪で盛り上がっているような場所だと、気が散って仕事が思いのほか捗らない。
集中できるように個別ブースの部屋等もあるが、追加料金のかからないブースの場合は遮音性が低いスペースも多く、圧迫感もある間取り。高い集中力を求められる作業には向いていない。
締め切りがある仕事なら、なおさらリゾート地のコワーキングスペースの仕事は捗らないであろう。
沖縄のワーケーションでゲストハウスを利用するデメリット
ゲストハウスでのワーケーションも、コワーキングスペースと同じような理由で生産性が下がる。
他人の話し声で集中できない
特にゲストハウスのような場所は、他の旅行者とわいわいと交わることを目的としている。そこに混ざる混ざらないの選択はもちろん自由だ。
しかし、人があふれ交流を求めて会話している場で、黙々と集中して仕事するのは難しい。仕事する本人が可能でも、そのスペースの場の雰囲気を悪くすると言われてしまう可能性は十分にある。
作業スペースがない
ネット環境が快適であることを売りにするゲストハウスは多くあるが、ネット環境=仕事できるとは言えない。
ゲストハウスの個室に宿泊する場合は、個室にこもって仕事すれば問題ないケースもある。
ただし、施設によっては個室にはテーブル等がなく、共有スペースにのみパソコン作業がしやすい環境がある間取りのケースや、共有スペースは快適にWifiが繋がる一方で、個室のWifi環境が良くないゲストハウスも多い。
ワーケーションで沖縄のリゾートホテルを利用するデメリット
リゾートホテルなら周りの音も気にならず、ネット環境もお値段なりに整っているだろうし、集中して作業できる!と思いきや、そうならない人も多い。
理由は誘惑の多さだ。
誘惑が多すぎて仕事できない
眺めの良い部屋、プール付きの施設、目の前にはビーチ、部屋のお風呂はジャグジー。こんな状況だと、普段そういった施設に囲まれていない人は、その豪華な設備を全部使わなければ損と思ってしまう。もしくは、せっかくだからリラックスしたいという誘惑にかられる。そういう人にとって、リゾートホテルでの作業は無理だ。
もちろん、ぜいたくな環境に慣れている人には問題ない。集中して広々としたリゾートホテルで集中して作業し、疲れたらプールやビーチやお風呂で疲れを癒す。その切り替えもバランスもうまく取れるだろう。
要するには、人は自分の仕事環境とあまりにかけ離れているところでは集中できないということだろう。
離島や沖縄のワーケーションで生産性を上げる方法
上記で上げたように、コワーキングスペースを使うケース、リゾートホテルを使うケース、ゲストハウスを使うケースは、集中できない仕事環境となる可能性が高い。
集中できない作業環境はワーケーションでの生産性を下げる要因になる。
ワーケーションを成功させる=生産性を上げるためには、集中できる環境のワーケーションスペースを確保すればよい。
自分が集中できる環境のチェックリスト作成
自分が今まで仕事してきた中で、集中できた環境にはどのような条件があっただろうか?今までに自分が集中できた環境はどんなだったか思い出して、紙に書き出してみよう。
どんなスペースが自分に適していたのか?集中できたスペースにはどんな要素があったのか?
チェックポイントを書き出してリスト化しておこう。
集中できる要素がそろった宿選び
書き出してみれば、どのワーケーションで宿泊施設を選べばいいのか自然と見えてくる。
作家のマヤ・アンジェロウはベッドの上で両肘をついて寝そべりながら作業するのが集中力のキープできる環境だったらしい。両肘をついてその大勢で動かないことにより、集中できるのだと。
私の場合は部屋が広く、浴室の湯船が広く、ベッドがクイーンサイズで2台あるビジネスホテルが最高のワーケーション環境だった。
部屋が広ければたまに歩き回ることができる。ビジネスホテルなら必要以上の誘惑がない。ベッドが広ければ、デスクでの作業が疲れた際には作業専門ベッドとして資料を広げて作業できる。普通に夜は疲れを癒すためにお風呂が入れるようにバスタブは広くあってほしい。
「静か」、「ネット環境が快適」など作業に集中できる環境がある宿泊施設を選ぶこともワーケーションの宿選びでは重要だが、チェックアウト条件も重要だ。
宿によってはチェックアウト日に、チェックアウト時間後の共有スペースが利用できない宿も多い。
チェックアウト後にすぐ移動の場合は良いが、帰りのフライトが午後の場合は空いた時間はどこで作業するのか事前に見つけておく必要がある。
チェックアウト後に行く場所に移動する時間、最初にリサーチしておいていく場所を見つけておく作業と、2段階さらに旅のタイムロスが発生する。メンタルエネルギーも消耗する。こんなワーケーションでは、仕事も遊びも集中できないだろう。
【まとめ】沖縄のワーケーション環境チェックポイント
ワーケーション先での仕事も遊びも成功させるためには、以下3ステップでの環境チェックが必要だ。
- 宿泊先の作業環境、最終日or移動日のチェックアウト後の作業場所の環境、また各作業場所のネット環境の把握。候補先をリストアップしておく。
- じぶんが作業環境で集中できる最低限の条件、また最高のパフォーマンスを出せる条件は何なのかを紙に書き出して、チェックリストを作る。
- 旅行先の環境がどれだけ自分の条件を満たしているかをベースに宿泊先や作業先をリストから決定する。
リサーチには時間もエネルギーもかかるが、ワーケーション旅行先でのパフォーマンスは上がる。そして、その旅行先のワーケーション・リピーターになることを考えれば、初期投資は回収して余りある価値を生み出すだろう。